人生最期の時間を、豊かに過ごすー。
人生が終わりに向かうとき、本当に大切なものは何だろう。
この小説は、残された時間を見つめ、
日々の小さな幸せに気づかさせてくれる、やさしい物語です。
この本をおすすめしたい方
- 人生の節目にいると感じている方
- 今を丁寧に生きたいと思っている方
- 涙と希望のどちらも味わいたい方
- おいしいおやつが好きな方
あらすじ(ネタバレなし)
穏やかな海のそばにある「ライオンの家」。
余命を迎えた人たちが、静かに最後の時間を過ごすための場所。
若くして余命宣告を受けた主人公・雫は、
ホスピスに入居し、海が見える穏やかな場所で、残りの時間を過ごすことを選びます。
皆が楽しみにしているのは、週に一度の「おやつの時間」。
入居者が、最後に食べたい「思い出の味」をリクエストすることができるのです。
―食べて、生きて、この世から旅立つ。
とても温かな時間が流れる一冊です。
心に残った言葉
- 「これからはもっと、正直に生きよう」
- 「とにかく、笑顔でいることが一番です。
辛い時こそ、空を見上げて思いっきり笑うんです。
そうすれば、あなたよりもっと辛い思いをしている人たちの希望になりますから」 - 「思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝に変えれば、人生はやがて光り輝く」
- 「生まれるのも死ぬのも、自分では決められない。だから死ぬまでは生きるしかないんだ」
感想(読書メモ)
人生の最後に食べたいおやつは何か―。
読みながら何度も涙がこぼれましたが、
それは悲しさだけではなく、
温かさからくる涙でした。
死は誰にでも訪れます。
漠然と恐れを抱いてしまうけれど、
失う痛みに目を向けるよりも、今、ここにある確かな日常を大切にしたい。
物語に出てくるおやつが、
どれもとってもおいしそう。
小川糸さんの小説には、たくさんのおいしいごはんが出てきます。
(「食堂かたつむり」もとってもおすすめ)
生きることは食べること。
たくさん食べて、明日もやるかぁ。
めんどくさいし、やりたくないけど。
「きちんとやろう」としなくて良い。
ただ、いまを生きていられることに感謝しよう。
そう思える一冊です。
この本が教えてくれること
- おいしいごはんは元気のみなもと
- 人生には「今」しか存在しない
- もっと軽やかに、正直に生きよう
まとめ
涙の中に、希望があふれる物語。
すこし心が疲れたらおいしいごはんを食べよう。
毎日を生きる、勇気をくれる一冊です。


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